御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
篠田が睨みつけると、鷹凪は「俺のプロポーズを断る女性がいると思うか?」と飛んでもない言い分を披露した。

ぎょっとする奏を見て、篠田はそのプロポーズが強引だったことを察した。こめかみに手を添え、沈痛な面持ちで伏せる。

「吉良先生、もう少しゆっくり、彼女とお話をされた方がいい。高梨さんも、嫌なら嫌とはっきりおっしゃらないと、一生吉良先生に弄ばれる人生を送ることになりますよ」

「弄ばれる人生? まるで自分がそうだとでもいいだけだな、篠田」

「――もう、なんとでもおっしゃってください。私は下僕で結構です」

首を嘆かわしく振りながら、篠田は胸ポケットからストラップ付きの携帯電話を取り出した。
ふたりでゆっくりと話せる場所を用意しておきますから、そう言って彼はどこかへ電話をかけ始めた。

電話が終わったタイミングで、ソファにドサッと腰を据えた鷹凪が命令する。

「文冬の記事が出たタイミングを見計らって婚約発表をする。準備をしろ。それから、彼女の情報を隠し通せるよう、裏で手を回しておけ。俺たちが長い間付き合っていたというシナリオも用意しておけよ」

婚約発表!? と奏は目を丸くした。彼は本当に、こんな無茶苦茶な婚約を推し進める気なのだろうか。
< 16 / 147 >

この作品をシェア

pagetop