御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「私は、高梨奏と申します、二十七歳で――」

「東京理工大学を卒業後、NMCソフトウェアに就職、二年で退職した後、フリーランスで活動」

まるで目の前に履歴書があるかのようにすらすらと上げた鷹凪に、奏は目を丸くする。

「どうして……」

「調べさせた。なにも知らない相手にプロポーズすると思うか?」

鷹凪はスーツの内ポケットから携帯端末を取り出し、画面をスクロールさせる。どうやらそこに奏の情報が書いてあるらしい。

「俺が知りたいのは、調べてわかるような表面的なことじゃない。内側を知りたいんだ」

鷹凪の鋭い視線が、奏の至る所を穴が開きそうなくらい睨み回した。

「今はフリーランスで働いているらしいな。SOHO――在宅ワークか。仕事は楽しいか?」

「……はい」

「せっかく誰もが羨む大手企業に就職を決めたのに、すぐに転職して独立とは珍しいな」

奏はドキリとしてうつむく。鷹凪はなにを言わせたいのだろう。まるで尋問を受けているみたいで気分が悪い。
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