御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
ふたりでゆっくり話ができるようにと篠田が用意した場所は、シティホテルの最上級客室だった。
きっと一泊何十万もする部屋なのだろう、奏の語彙ではすごいとしか形容できない夜景が、窓の外一面に広がっていた。

ここで食事でも取りながらふたりでよく話し合えと篠田に勧め――というか、懇願された。

「ニュースはよく見るか」

開口一番、鷹凪のぶっきらぼうな質問に、奏はこくこくと頷く。

「なら、俺のことは知っているだろ。吉良鷹凪。政治活動をしている。一応、新党の党首でもある。とはいえ、話題性で担ぎ上げられた広告塔みたいなものだがな」

そう鷹凪は言うけれど、彼の演説には定評がある。
元総理大臣の父親から譲り受けた、天性の才能だとコメンテーターが褒めちぎっていたのをテレビで聞いたことがあった。

「俺のことを知りたければネットでもなんでも調べればいい。大体の情報は載っているだろう。代わりに、奏のことを教えてくれ」

鷹凪はそう言って、ミネラルウォーターをぐいっと飲み干した。

彼は選挙が近いからといってアルコールを遠慮した。
ちなみに奏もいらないと言ったのだが「俺のことはいいから飲め」と強引に飲まされている。

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