御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
2 新婚旅行は一夜限りの……
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親への挨拶、婚約発表、果ては婚姻届けの提出まで、とんとん拍子でことが運び、あっという間にふたりは夫婦となった。

メディアはこぞって鷹凪の婚約の記事を特集した。

女性層からの人気が落ちかと思いきや、相手が一般女性だったこと、鷹凪が徹底して奏の情報規制を敷いてその存在が謎のままだったこと、それらが功を奏して相変わらずの人気を保ったままだ。

鷹凪の忙しさと支持率がぐんぐん上がっていく一方で、奏の孤独は増していった。

『寂しさを拭い去ってやる』そう誓ってくれたにも関わらず、現実は真逆で、夫は仕事仕事と理由をつけて新居にほとんど帰ってこない。

とりあえず、夕食を作って帰りを待ってはみるが、「今日は帰らない」の連絡はいつも事後報告。
鷹凪のために作った夕食が翌日の奏のお昼ご飯になる日々が続いた。

やはりあの愛の言葉はまやかしだったのだろうか。
政治家に嘘は当たり前、綺麗な公約を掲げておきながら、いざ当選したら裏切るんだ。

奏の政治不信ともいうような感情が、今やまっすぐ鷹凪に注がれていた。
彼は『結婚』がしたかっただけで、奏と愛のある生活をしたかったわけではない。これは当たり前の結果だ。
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