御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「政治家の俺に対して、そのセリフは聞き捨てならないな。いったいなにが不満なんだ?」

そう言って、鷹凪はスーツのジャケットを脱ぎながら奏の隣にどすんと腰を下ろす。

「お帰りなさい。夕食は召し上がりましたか? それともお風呂を……」

「そんなことより、俺の質問に答えてくれ。なにが公約違反だって?」

ぐっと顔を近づけられ、奏はたじろいだ。身を引こうにも、これ以上のけぞればうしろへバタンと倒れてしまう。

「まさか、俺が連日帰ってこないのは、浮気でもしていると思っているんじゃないだろうな。仕事で家に帰れない日があるということは、前々から話していただろう」

確かに、帰れない日があるとは聞いていたけれど、家に帰るのが月に数回程度だとは聞いていなかった。

「忙しいことは知ってます……毎日のように、テレビで鷹凪さんの活躍を拝見していますから」

鷹凪の結成した新党が選挙で大勝し、他の野党とも合併を繰り返した結果、将来的に鷹凪の総理大臣就任がほぼ確定した。

今やマスコミは大賑わい。見目麗しい弱冠三十歳の総理大臣候補、そして彼を射止めた謎の妻の存在。
こんなにもおもしろいニュースはどこにも転がっていない。


< 30 / 147 >

この作品をシェア

pagetop