副社長の一目惚れフィアンセ
「私が直斗さんと結婚しても、メリットは何もありません。
ここの社員として、私は直斗さんに副社長でいてほしい。
信頼を取り戻し、必要とされる大企業であり続けて欲しい。
そのために直斗さんのそばに必要なのは、私じゃなくて…」
「何言ってるんだ明里!!」
ナオが私の肩を乱暴に揺らし、同時に涙が零れだす。
「…他に方法がないの…ごめん、ナオ…」
「…っ何で…っ」
社長は黙ってそれを聞いていたけど、軽く椅子に座り直して口を開いた。
「…直斗、今候補に挙がっているのは大手食品メーカーの次女で…」
「社長!!そんなことはどうでもいい!俺のフィアンセは明里だ!」
「直斗、明里さんの精いっぱいの気持ちを無下にするつもりか?
明里さんはこの会社のことを思って言ってくれているんだぞ」
「俺は明里と生きていけるなら会社を辞めたっていい。
20歳を越えて名乗り出た父親に血縁だなんて偉そうに言われる筋合いはない!」
ナオが今まで聞いたことがないほど声を荒げる。
社長はナオの言葉に閉口して、険しい顔をした。
当然だ。
結婚に関して相手の家柄にとやかく言わないという約束で、会社に引き込んだのだから。
ナオの気持ちはすごく嬉しいのに喜べない。
異物騒動があったとき、ナオは倒れるくらい働いていたのに私は何もできなかった。
だけど今回は私にもできることがある。
相手が莉乃さんだったら私は反対だけど、そうじゃないなら…ちゃんとしたご令嬢と結婚して、幸せになれるなら…
それが会社のためになるなら…
膝の上の拳をギュッと握りしめる。
「ナオ…会社のためなの。お願い…」
「明里…っ」
ここの社員として、私は直斗さんに副社長でいてほしい。
信頼を取り戻し、必要とされる大企業であり続けて欲しい。
そのために直斗さんのそばに必要なのは、私じゃなくて…」
「何言ってるんだ明里!!」
ナオが私の肩を乱暴に揺らし、同時に涙が零れだす。
「…他に方法がないの…ごめん、ナオ…」
「…っ何で…っ」
社長は黙ってそれを聞いていたけど、軽く椅子に座り直して口を開いた。
「…直斗、今候補に挙がっているのは大手食品メーカーの次女で…」
「社長!!そんなことはどうでもいい!俺のフィアンセは明里だ!」
「直斗、明里さんの精いっぱいの気持ちを無下にするつもりか?
明里さんはこの会社のことを思って言ってくれているんだぞ」
「俺は明里と生きていけるなら会社を辞めたっていい。
20歳を越えて名乗り出た父親に血縁だなんて偉そうに言われる筋合いはない!」
ナオが今まで聞いたことがないほど声を荒げる。
社長はナオの言葉に閉口して、険しい顔をした。
当然だ。
結婚に関して相手の家柄にとやかく言わないという約束で、会社に引き込んだのだから。
ナオの気持ちはすごく嬉しいのに喜べない。
異物騒動があったとき、ナオは倒れるくらい働いていたのに私は何もできなかった。
だけど今回は私にもできることがある。
相手が莉乃さんだったら私は反対だけど、そうじゃないなら…ちゃんとしたご令嬢と結婚して、幸せになれるなら…
それが会社のためになるなら…
膝の上の拳をギュッと握りしめる。
「ナオ…会社のためなの。お願い…」
「明里…っ」