副社長の一目惚れフィアンセ
ナオは会社のことも社員のこともちゃんと考えている。

いつか社長になるのは…将来この大企業を背負っていくのは、やっぱりナオしかいないと思う。


はあっと息を吐き、いったん伏せた目を覚悟を持って開いた。

「…私、婚約解消に同意します」

「…明里?」

つらくて顔は見られないけど、困惑に満ちたナオの声が隣から聞こえる。

言い出したのは社長なのに、社長は眉を寄せて驚いたように私を見ている。

きっとナオも同じような表情をしているだろう。


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