冷酷な騎士団長が手放してくれません
ソフィアは、首を傾げた。リアムの言葉は、分かるようで分かりにくい。
「でも、世の中に女はいくらでもいるわ。それなのに、どうして一人の女だけに惹かれるの?」
「理由はございません。運命とでも言いましょうか。風に煽られた花の種が、自分を育む土地を選ぶのに似ております」
「運命……?」
「そして、その土地に根付き生気を通わすことによって、徐々に離れられぬかけがえのない存在となるのです」
ソフィアは、目を瞬いた。
急に、リアムの瞳の青さを眩しく感じたからだ。
この美しい騎士にも、きっといつかそのようなかけがえのない存在が出来るのだろう。もしくはもう、ソフィアの知らないうちに、いるのかもしれない。
そう考えると、ニールのことが頭から離れ、気持ちがざわついた。下僕を奪われることへの、嫉妬心だ。
「ソフィア様、どうかされましたか?」
急に俯き黙りこくったソフィアを、リアムが心配する。何でもないわ、とソフィアは無理やりに笑顔を作った。
「私には、まだ男を知るのは早そうだわ」
結婚も、当面ないだろう。母のマリアがどんなに画策しても、父であるアンザム卿が強く同意しない限り、ソフィアはアンザム家に居座ることが出来る。
未知の世界に足を踏み入れるのは、まだ先でいいわ。願わくは、リルべでのこの毎日が今しばらく続きますように。
そう心の中で願い、ソフィアはリアムに背を向け、着替えの続きを促した。
「でも、世の中に女はいくらでもいるわ。それなのに、どうして一人の女だけに惹かれるの?」
「理由はございません。運命とでも言いましょうか。風に煽られた花の種が、自分を育む土地を選ぶのに似ております」
「運命……?」
「そして、その土地に根付き生気を通わすことによって、徐々に離れられぬかけがえのない存在となるのです」
ソフィアは、目を瞬いた。
急に、リアムの瞳の青さを眩しく感じたからだ。
この美しい騎士にも、きっといつかそのようなかけがえのない存在が出来るのだろう。もしくはもう、ソフィアの知らないうちに、いるのかもしれない。
そう考えると、ニールのことが頭から離れ、気持ちがざわついた。下僕を奪われることへの、嫉妬心だ。
「ソフィア様、どうかされましたか?」
急に俯き黙りこくったソフィアを、リアムが心配する。何でもないわ、とソフィアは無理やりに笑顔を作った。
「私には、まだ男を知るのは早そうだわ」
結婚も、当面ないだろう。母のマリアがどんなに画策しても、父であるアンザム卿が強く同意しない限り、ソフィアはアンザム家に居座ることが出来る。
未知の世界に足を踏み入れるのは、まだ先でいいわ。願わくは、リルべでのこの毎日が今しばらく続きますように。
そう心の中で願い、ソフィアはリアムに背を向け、着替えの続きを促した。