happiness
誰から、なんだろう。
表を見ても、裏を見ても、名前がない。
ただ、イニシャルが書いてあるだけ。
でも、返事をしなきゃ。
私はリュックから、ボールペンを取り出して、

『あの。どちら様ですか?』

とイニシャルが書いてある表面に、そう書いた。
置くところもないから、どうしよう。
と思った私は、すこし考えてから、その紙を、また自分の下駄箱に置いた。
返事、あるかな。
私はそう信じて、家に向かった。
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