恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
鍵でドアを開けると、その部屋の主である姉はいなかった。

・・・お姉ちゃん、まだ帰ってないんだ。良かった・・・。

ホッとした私は、安心し過ぎてその場に崩れ落ちそうになった。
だけどここは玄関だ。
ひとまずでいいから、中に入らないと。
それからへたり込んでも遅くはない。

私は一人暮らしサイズの小さなキッチンに行くと、グラスにお水を注いで一気に飲んだ。
一心地ついたところで、次はお風呂・・いや、シャワーでいい。
とにかく、昨夜の「痕跡」を消さなきゃ。

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