恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
私しか、いない
「白樺」から帰ってきた母は、仕事の面接がどうだったか、私の口から「詳細」を聞きたくて、ウズウズしているように見えたけれど、息子の翔が寝るまで、その話題はふらないでくれたことは助かった、と思うべきか・・。
母が紹介してくれた仕事の話だったから、気になるのは私にも分かる。
それに、仕事の上司は母“お気に入り”の岸川さんだし・・。

翔は今日、私と一緒にたくさん歩き回ったせいか、楽しかった以上に疲れていたのだろう。
7時を過ぎたころには「ねんね」と言って、ベッドに入るとすぐ寝息を立て始めた。

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