恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
息子のあどけない寝顔を見ながら、子どもは良いなぁ、「単・純粋」でと思う。
でも私自身が翔の年齢くらいだった頃、「仕事どうしよう」とか「これからどうやって息子を育てていこうか」なんてことは考えてなかったはずだ。

それに、将来離婚をすることになることも。

シングルマザーになる覚悟は、できている・・つもりだ。
翔の母親である私が、果たして父親役も務めることができるかどうかと思い悩む段階は、もう過ぎてるんだから。
息子のこれからの人生がどう進んでいくのか、どの方向へ進むのか。
その重大な責任は、親の私にある。
言い換えれば、私次第で翔の人生は、良くも悪くもなるってこと・・・。

私は、責任という名の重圧が両肩にのしかかってくるのを感じると、思わず目を伏せ、細く長いため息を、一つついた。

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