恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
そこに甘えちゃいけない!
・・・とにかく、岸川さんに電話しよう。
声が聞きたいから・・じゃなくて!
私に渡したいものがあるから、都合の良い日にもう一度事務所に来てほしいと言われていたことを不意に思い出したのだ。
そういう用件は、早くカタをつけるに限る。そうすれば、「気になること」が一つ減るわけだから――。

トイレやお風呂場でも一人っきりになれるけど・・そういう場所で岸川さんに連絡するのはさすがに・・・姿を見られるわけでもなく、実際裸になるわけでもないけど、やっぱり場所柄、恥ずかしさが先に立つ。
自分の部屋の前の廊下に、一人ポツンと立った私は、スマホをオンにした。
途端に、薄暗かった私の周囲がパッと明るくなった。

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