恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
短く鋭い視線を左から感じて、私はドキッとしながら岸川さんを見た。

「な、なんですか」
「ハンバーグ食べたいなーと思っただけだよ」

・・・気軽な口調で言った割に、意味深な感じが強い気がするから・・・岸川さんの顔が、何か企んでるようにニマッとしてるように見えるし―――それがまたカッコいい・・かもとか思ってるし!―――私はまた、ドキドキッとしてしまった。
だから、これ以上ハンバーグに関する会話を押し進めることは、止めておいた。

「誰が作ったハンバーグを食べたいんですか?」なんて・・・絶対聞かない!

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