恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
岸川さんは「じゃあ結局良かったんだな、この案」と言いながら、黒革のブリーフケースのジッパーを開けて、何かを探し始めた。
そして、岸川さんがそこから取り出したのは、数枚の紙だった。

「これはその保育園の入園申込書だ」
「え!もう用意、してたんですね」
「プリントアウトしただけだよ。それからえーっと、これが保育園のサイト。見て」
「あぁはいっ」

スマホの画面を見た私の第一声は「わぁ!」という感嘆の声だった。

「ここ、本当に保育園なんですか?」
「ああ。元は寺だった建物を保育園として使いたいと要望があってね。だから見かけはまだ寺の風情が残ってるけど、ちゃんとした保育園だから心配しなくていいよ」

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