恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「そうだろう?ママ?」

わざと問いかけるように聞いている壮介さんは、まるで鬼か悪魔に憑りつかれているかのような、邪悪さに満ちた顔をしている。

「ママ?もぅおうちにかえろうよ。かえって、なかよくしよ。ね?」

そして翔は・・・・・・私が「もちろんよ」と言って一緒に―――三人で―――帰ると信じているような、期待に満ちた表情で、私を見ていた。

息子の小さな左手は、壮介さんに握られている。
私は・・・やっぱりこの人に従わないといけないのだろうか・・・。
そうすれば、また元どおり・・とまではいかないだろうけど、少なくとも、壮介さんと表面上は仲良くしているフリをし続ければ・・・・・・。
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