恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
どうにか心を落ち着けた私は、さっきから「もしもし!」と呼んでいるスマホの向こうの声に、ハッと気がつき。
それでスマホを耳から話した状態で一人、考え事に浸っていたことに、やっと気がついた。

もう!私ったら・・・。

「す、すみません!ちょっと今日は色々とありすぎて、ボーっとしちゃってて。本当にすみません。えぇっと、どちら様でしたでしょうか・・・・・あ。やっぱり・・・。それで、私に何か・・・・・ぁ・・はぃ。卯佐美壮介は私の・・主人、ですが・・・」

・・・もうすぐ「私の主人」じゃなくなるけど、まだ正式に離婚はしてないから、渋々事実を答えた。
だけど、なんで壮介さんのことを・・・。

また不安が増した私の心臓の鼓動が、ドクン、ドクンと、鈍く音を立て始めた。
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