恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
外に出ると、私は反射的に暗い夜空を見上げた。
そこには星が、まばらに点在している。

・・・壮介さんはもう、この世にはいないんだという想いが、少しずつ私の内(なか)で、実感となっていく。

これからお互い、新たな人生を歩み始める矢先だったというのに・・・人の人生って、こんなに呆気ないものなの?
壮介さんは、まだまだ生きたかったはずだ。
やりたいこと、やり残したことが、まだまだたくさんあったはずだ。
それなのに・・・。
まさに、人生半ばにして終わらなければならなかったことを思うと、きっと壮介さんは死んでも死にきれなかったんじゃないかと思った。
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