恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
私・・・小心な臆病者だから。慣れてない雰囲気や初めての場所に来ると、やっぱり緊張度がいつもより多くなってしまい、結果、ビクビク度が、ますます跳ね上がる。

この場では、唯一知ってる人である、姉の友人でコンパの参加者でもある日菜さんを探すように、キョロキョロ辺りを見渡していると、店員さんが声をかけてきた。

「ご予約の方でしょうかー」
「あ。えっと・・・」

姉からは、ここに予約を入れているのかどうかも聞いてなかった。
予約していたとしても、どんな名前で予約を入れていたのか、それも分からない。

私は肩にかけてる赤いバッグを、ギュッと握りしめた。

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