恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「あぁごめん。最近、仕事立て込んでて床屋に行きそびれてんだ。鬱陶しいよな?これ」
「あ。いやっ。別にその・・そんな、気にしないでください」

両手を振りながら慌てて言う私に、その人は、気を使うようにゴムで髪を結んだ。
ただ、結んでも両サイドは長さが足りなくて、結べてないんだけど。
その人もそれが分かってるみたいで、結局結んだゴムは、髪から外した。

「昔の男は坊主以外、長髪が普通だったんだ」
「それ、いつの話ですか」
「江戸時代くらいか?ほら、武士とか侍とか」と言われて、私は思わず笑ってしまった。

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