ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
すると離したばかりの距離が、すぐにゼロに戻される。

潰されそうな力で抱きしめられて、「愛してる!」と耳元で叫ばれた。

唇が重なってすぐにキスは深くなり、胸をまさぐられて……。


まずい。良樹の欲情に火をつけてしまった。

運転手のおじさんもいるし、車外からも見えてしまうと焦っていたら、クリアだった後部席の窓ガラスがスモークガラスに変化して、運転席と後部席の間に仕切りがウィーンと下りてきた。


へぇ、高級車はスイッチひとつで、そんなことができるのか。

でも、なんのために……?


運転手のおじさんの気遣いに、余計な恥ずかしさを覚えながらも、彼の日一日と膨らむ重たい私への愛情を、しっかりと受け止めていた。

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