溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
しかししばしば見かけるああいう人たちは一体なんなんだろう。
私には一ミリも理解できないし、理解したいとも思わない。



その日、会社にかかってきた一本の電話は、完全に私には嵐の前触れだった。

「えっ!?
それは誠に、申し訳ありません。
……はい……はい。
直ちに確認しますので。
……はい。
申し訳、ありませんでした」

受話器を握ってぺこぺこあたまを下げてる石川さんを落ち着かずに見つめていた。
補佐に付いてる石川さんが真っ青になっている事態は、私にとっては人事ではないはず。

……はぁーっ、電話を切ると大きなため息を落として石川さんは椅子に座り直し、カチカチとマウスを操作した。

「くぼぅ」

「はいっ」
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