溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
大きな契約がされているといっても私たちは通常業務なわけで、午後もいつも通り仕事を続ける。

「ここが営業部?」

突然、やってきた女性に部内にいた男性社員が一斉に注目した。
黒髪を夜会巻きにして真っ赤な口紅を塗り、身体のラインを強調するようなスーツを着た女性は美人、以外に形容しようがない。

「深井さん!」

足早に追ってきた蔵人さんに振り向くと、深井と呼ばれた女性はあきらかにめんどくさそうな顔をした。

「なあに、蔵人。
別にいいじゃない。
……ねえ、ここに蔵人の奥さん、いるんでしょ」

――蔵人。

誰だか知らないが、蔵人さんをなれなれしく呼び捨てにする女性にむっとした。

「ねえ。
蔵人の奥さん、どの子?」
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