サクラサク~恋の蕾、花が咲く時。~
第1章 高校生
初めての受験は
高校の推薦入試。


面接と小論文の
練習をたくさんした。


正直
不安な気持ちはある。


だけど…

「どうしても
あの高校に行きたい!」


って気持ちの方が
強かったのを覚えてる。


あっ。
もうひとつ
覚えてることがある…

受験前々日。



私、後藤ゆりなは
まさかの風邪を
ひいてしまいました…。



「はっ…くしゅんっ」


ピピピッ…



「ん…はぃ」


体温計を母に渡した


「どれどれ…8度7分。
全く、どうして
大事な日が近づくと毎回
体調崩しちゃうのかしら」


昔からそうである。
私が原因知りたいくらいだよ。


「…さぁ」


「まぁ…しかたないわね
病院で診察してもらったし
しっかり身体休めなさい」



「…はーい」


バタンッ


そういうと母は
私の部屋をあとにした…

受験前日


「明日なのに
寝込んでる私って…」


ほんと嫌になる。


「まぁしかたないわね
明日寝込むより
絶対いいと思うわよ~」



「明日のために…って
思うしかないか」



「ま、そういうこと」



「はぁ…」



「ため息つくと
幸せ逃げるわよー?」



笑いながら言っている母。
なんて陽気な人だ…

受験当日

試験が始まった。
最初は小論文


なんとか
熱は下がったものの
文章書くにも
頭がぼーっとする。

このあとの面接で
声がうまく出るかどうか



なんで
大事なときに限って
こうなっちゃうのかな…




小論文がなんとか終わり
次は面接。



自分の面接の順番が来た。
この時だけ奇跡的に
声がはっきり出せた。

頭もすっきりしている。


はきはきと
答えられてたことは
今でも覚えてる。



だけど
小論文では
頭ぼーっとして
なかなか内容が
頭に入ってこなくて
正直焦ったな…。



けど
なんとか
がんばって書いたな~


そして
結果の発表日…



「お母さん…
どうしよう、大丈夫かな私…」



「今さら何言ったって
結果は結果よ。
自分の現実を
受け入れなさいよっ」



ん~
まったく頼もしい
母親である。




「ふぅ…よしっ」


意を決して
結果の張り出された
掲示板を見に行った…。

すると…


「あっ!ゆりな~っ」


友達の優子。
私と同じ学校を
受けたのだ。



「お~優子っ。
あれ?もう見てきたの?」



「見てきたよ~
無事合格だったぁあ~」



「そっかぁあ!
よかったね~」



「うんっ。
ゆりなは今から?」




「うん。もうほんと
ここから逃げたいわ~」




「今逃げても
変わらないって。
あっ。ていうか、
ゆりなの番号あったよ!」


え、こんなタイミングで
発表されんのかい。



「えっ。ほんとに!?」

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