サクラサク~恋の蕾、花が咲く時。~
第13章 夏祭り

またついつい
待ち合わせ時間より
早く着いちゃった…。


毎回早めに
着いてしまう私って…


これはもはや
私の癖?

待ち合わせ場所周辺。



「あれ、そういえば
ゆりなに
どんな浴衣か聞き忘れたな。

周りは浴衣着てる人多い…。
俺、わかるかな」


とか思っていたら
待ち合わせ場所に着いた。



「え~と、ゆりなは…?」


見渡す限り浴衣だし
人が多すぎる…


ん~…
こんなときは
電話をしよう。

プルルルル…プルルルル…


「はい、もしもし?」


あれ?
意外と近いところから
ゆりなの声が…



「あっ、ゆりな?
待ち合わせ場所に
きたんだけど人多すぎてさ。
どこにいる?」


とんとんっ


誰かが俺の肩に手をおいた。
そして俺は
後ろを振り返った。


「ここだよっ?」


振り返ると、
ゆりなが居た。

意外とすぐそばに
いたんだな。



「会えてよかった!
ゆりな~っ」



ギュッ


あっ。
なんか浴衣姿の
ゆりなと会えたら
抱き着いちゃったよ、俺。



「あっ、
ゆりなが可愛いくて
ついつい。」



「もうっ」


な~んか
ゆりな照れてるし。
可愛い。

てか、初ハグだ。


「初ハグだね」


「そうだね。
びっくりしちゃった」


「さてっ、ゆりなを
みつけたしハグしたし、
行きますか?」


「うん!」


こうして
俺とゆりなは
手を繋いで歩きだした。



「ねぇ、久也くん?」


「ん~?」


「今日は
いつも以上にカッコイイね」



「そうかな?」



「浴衣を着こなせる
久也くんは
ザ日本男児ってカンジで
カッコイイよ」



「そか?
なんか照れるな」




「んふふっ」

出店がたくさんあるところを
歩き進んでいった。



そして偶然、
色々な風景や
生き物の写真が飾られてる
店の前を通ったら…



「おっ、そこの浴衣カップルさん。
ちょっと見てってよ」



「え。ゆりな、どうする?」



「せっかくだから
見てこうよ」


「じゃあ、そうしますか」


そうして
飾られてる
たくさんの写真をみた。


どの写真も
ひきつけられるものばかりで
なんだか驚いた…。


「あっ。この写真…素敵」



「あぁ、ハートにみえる珊瑚礁ね。
お目が高い。じゃあ…お嬢さんに
特別に無料で差し上げましょう」



「えっ、いいんですか?」



「もちろん。いいですとも。
差し上げるかわりに
お二人の写真を
撮らせていただきたい。

写真をもらって
いただいた方へのサービスで
記念写真撮影ですから。」


ってことで
久也くんと一緒に
記念写真を撮ってもらった



「この写真
どっちも大切にしようっと」


「珊瑚礁の写真
もらえてよかったな」


「うんっ。
あと記念写真
撮ってもらえて
うれしかった」



「そうだな」

ヒュ-…バ-ン…ヒュ-…ババーン



「あっ、花火
始まったみたいだね」



「だねぇ。
けど、花火の音しか
聞こえないな」



「うん…。
花火がみえないのは
ちょっと残念。」



「ん~…あっ!
あの場所だったら
みえるかもしれないな」


「あの場所?」



「うん。
まぁ少し歩くけど…
大丈夫?」



「うん、大丈夫」



「よしっ
じゃあ行きますか」




例のあの場所に着いた。



「ここ?」



「うん。意外と
知られてない場所なんだよ」



「そうなんだ」



「実は優真が
教えてくれたんだけどね」



「あっ、じゃあ
もしかしたら七海たちが
いるかもしれないね」



「いたとしたら多分
いちゃついてるだろうな」



「だね」



神社の奥の方に
花火がみえる場所があった。


「あ、花火がみえるね」



「すげえ…」


ヒュ-…バ-ン…ヒュ-…ババーン



「花火…すごく綺麗だね」


花火にみとれてる
ゆりなの横顔に
俺はみとれてしまった。


「ゆりなの方が綺麗だ…」


「え?なに?」


ゆりなが
俺の方を向いた。



「ゆりな」



「ん?」



「…好きだよ」


チュッ


今日初めて
ゆりなとキスをした。




「ゆりな、顔赤いよ?
唇ごちそうさま」

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