契約結婚はつたない恋の約束⁉︎

「でっ…でもっ、『契約』はきちんと結んでもらいますよっ、栞ちゃんのためにっ!」

しのぶがどんなに神宮に睨まれようが、移り気な彼が「結婚生活」に飽きたとき、哀れな栞を露頭に迷わせるわけにはいかないのだ。

「だったら、いつまで経っても役所に婚姻届を出せねえじゃねぇかよ?」

……互いの戸籍謄本はすでに手元に届いてるってのによ。

神宮寺の機嫌はすこぶる悪く、たった今大量殺人をしてきました、という極悪人の顔をしていた。

「それは……栞ちゃん次第だわ。
とりあえず届を出しておいてじっくり契約内容を詰める、っていうのならすぐにでも提出しに行くけど?」

そして、「どうする?」という目で、栞は二人から迫られた。


「……えっと……あたし、たっくんと早く結婚したいので、先に婚姻届出してください」

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