契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
「……うわぁ……どうしよ……おねえちゃん、あたし、めっちゃ緊張してきたぁ……」
栞が稍の方に身を寄せてきた。
稍は間でベビーチェアに座るななごと、栞を抱きしめる。
「大丈夫……神宮寺先生やったら、きっと獲らはるから……」
そう言った稍の声も震えていた。
稍と栞とななは、まるでサル団子のようにぎゅーっとひとかたまりになって寄り添った。
間に挟まったななは「新しい遊び」かと思って、きゃっ、きゃっ、と声をあげて喜ぶ。
完全に蚊帳の外に追いやられた智史は、まったくおもしろくない。苦虫を百万回噛み潰した顔をしている。
神宮寺が、スマホのディスプレイを軽くタップした。
「はい……神宮寺 タケルは、僕ですが……」
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「契約結婚はつたない恋の約束⁉︎」〈 完 〉


