契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
『そしたら、今、三人で暮らしてんのん?』
その問いには、栞の声がくぐもる。
「う…ううん……あたしが、うちを出たん」
『えっ?栞ちゃん、一人暮らししてんのん?』
八歳上の姉にしてみれば、妹の栞はいつまで経っても「子ども」のイメージだった。
『栞ちゃん、なんでもっと早う言うてくれへんかったん?』
……せやけど、言えばきっと、おねえちゃんやったらこう言わはる。
『栞ちゃん、東京においで。一緒に住も』