ひとりかくれんぼ《都市伝説》
「なぁ稔ー、『ひとりかくれんぼ』って知ってるか?」
「うわ、寒ッ!お前それ一人でやったら寒いだろ!」
「違ぇよ、まぁ聞けって!」
そういって、俺――吉岡稔(ヨシオカミノル)――の友達の狭間昭彦(ハザマアキヒコ)は得意げに『ひとりかくれんぼ』という都市伝説を語り始めた。
それは一種の降霊術。
謂わばこっくりさんや丑の刻参りなどと同じ種類に分けられるものだった。
秋も深まり始めた、少し肌寒い教室の一番後ろの窓際。そこが俺の席で、昭彦はその前の席。
小学校からの付き合いの昭彦とは、幼い頃からバカをして笑いあい、両親や教師に一緒に怒られることもあった。
同じ高校に入っても例外なく、俺と昭彦はよくつるんではサボったりして、小中と自由だったにも拘らず高校ではさらに自由に学生生活を満喫していた。
毎日放課後になると、夜遅くまで教室に残って他愛ない話をしたり、電車に乗って賑わう街へ遊びに行く。
ファーストフード店で騒いだりして、傍から見れば迷惑だったかもしれないが、その時の俺たちはそんなことお構い無しに騒いでは、直ぐに終わってしまう青春と言うものを十二分に味わいつくしていた。
そんな、何気ない日々の一つ、授業終わりの放課後。