向日葵◇ひまわり

時流る

街がチラホラとクリスマスイルミネーションに彩られ始めた頃

ひまわりは、無事退院の日を迎えていた。


ひまわりと父親は、
あれから二人で話をして、一歩前に進むこと出来た。

お互い生活は別々だが、少しずつゆっくりと歩み寄っていけたらいいと
ひまわりが話してくれた。


入院中の荷物を片付けるひまわりの横顔を、手伝いながら見ていた洸は

「退院おめでとう。」

その言葉に、動かしていた手を止め、

「本当に有り難う、
今私がこうしていられるのは、タケ兄、タク、お父さん、そして洸がいてくれたお陰です。」


そう言って、洸、一緒に来ていた穏雅先生、タク、に頭を下げた。

感激したような、照れたような、表情をした
穏雅先生が、顔を背けながら、ひまわりの手の荷物を取り

「さっ…先に行って車回しておくから…
タク、行くぞ。」

ひまわりの顔を見る事無く、タクを引っ張って病室から出て行ってしまった。

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