あべこべカレカノ
♛︎ 2
次の日。
校内はとても騒がしかった。
理由は簡単ーーー
「ねぇ!悠生!付き合ったってほんと!?」
「…え、あ、うん」
教室に入るや否や、すごい形相をしながら美月が私に迫ってきた。
なるほど、この話題で騒がしかったのか。
私が付き合っている事を肯定したせいか、また一気に教室中がザワついた。
「…なんで……私の桐生くんが…」
「落とした女、誰?」
どうやら、私が付き合っているのは「女」だと思われているようだ…
結局私はやっぱり男として捉えられてるのか…
あはは、と苦笑しながらカバンから教材を取り出して、机の中に入れた。
ーーーと、その時
「…桐生さん!」
誰かが教室のドアの所で名前を呼んだ。