クールなサイボーグ部長の素顔
その違和感に、再び頭を抱える。
ホント、酔って迷惑かけて。
そしてこの現状だ。
どうしよう。
とりあえず、帰る。
そして、このことは無かったことにする。
やっぱり、それしかない。
とりあえず、服探さないと。
そういて、もう一度動き出そうとした時

「コンコン」

ノックからすぐ部屋のドアが開く。

「千波、起きたんだな?気分はどうだ?」

そう言って入ってきた課長は既にラフな部屋着を着て、その手にはミネラルウォーターのボトルを持っている。
すたすたと歩いてきて、私に近くに腰を下ろした。

私は、慌ててシーツを引き上げる。
それを見て、クスッと笑う課長の笑顔に思わず、ポカンと口を開けて固まってしまった。

「そこまで慌てなくていいだろう?昨日、見てるけど?」

会社では見ない、柔らかい表情で話しかけてくる課長にまだ、思考が追いつかない。

「そうだとしても、そこは恥じらい?とか?」

といえば、クスクスと笑って

「そうか、お腹空いてないか?起きてこれるなら服貸すから着替えてこっち来てくれ」

そう言うとハーフパンツとロンTを取り出して持ってきてくれた。

「とりあえず、シャワーも浴びたいだろう?連れてくから」

その発言に慌てる。

「いえ!歩けますから!」

そう言って、持ってきてくれてたタオルをササっと巻いてベッドから下りると、足が立たず、ペタンと座ってしまった。
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