レヴィオルストーリー2
「実はナティアの故郷の村ラレスカは、ある民族が住んでいまして…。」
「民族?」
「はい。エレス族という、高貴な民族です。しかし彼らは傲慢になることもなかったし好かれていた。」
聞き返したアレンにきちんと答えてから、教皇は言いにくそうに話を繋ぐ。
その表情は酷く難しいものだった。
「…エレス族の祖先は、この世界の神ファンリュジョンに仕えた神子エレスと言われていますわ。
彼らはそのエレスの力を受け継ぎ、神の塔を開く術を持っている。
きっと、その力を恐れるか欲したかした輩が村を襲ったのでしょう。
あの力…、“聖”という魔力ですが、あれは強すぎる。」
教皇は思い詰めたようにまた溜め息をつく。
彼女の側近はこいつらどんだけ教皇様に溜め息つかせてんだ、と眉根を寄せた。