レヴィオルストーリー2

「…私が入ろうとしたら鍵がかかってて。合鍵で開けて中に入ったら本が床に散らばってるし、布団は変に丸まってるし…。」


「…アレンか?」



ギルクへの返答でまた頷くレイ。


「もうそこまで回復してんのね。さすがって言うか何て言うか…」


イルが複雑そうに色んな感情が入り交じった表情で呟いた。


レイは浮かない顔で視線をアレンの部屋の方角へ移す。



「とにかく耐えられなくって、それで言いがかりつけて部屋を出たの…。」



「…そっか。マケドニスが知ってたって聞いてショックだったのかもな」



ギルクがしかめっ面して呟いた。



その言葉に言った本人のギルクもろとも、三人揃って仲間の気持ちを思い浮かべ押し黙ってしまう。





「……やっぱり、傷はなくならないものなのよね」


ぽつりと呟き、レイが深く息を吐いた。


「いくら俺らが頑張っても、か」


いつもは楽観的なギルクもさすがに笑い飛ばせない。


「…レイにすらそうなっちゃったんだし、相当よね?」


イルもギルク同様いつものように振る舞える訳もなく。





三人は同時に溜め息をついた。





仲間の為どうにかしてやりたいと切に想いながら───……







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