それでもあなたが大好きです。



「…ごめんなさい。
蓮さんだってほんとは言いたくないってわかってる…でも!
…でも……」


「…ごめんな、小春」


涙が止まらなかった。
次から次へと溢れてきて、体全身の水分を使い切るのではないかと思うほどだった。




「…小春、冤罪の証拠が揃ったよ。
犯人は副警視総監の一人息子、山崎 守(やまざきまもる)だ。

山崎の罪を隠蔽するために大雅さんは利用されたんだ。


あの殺人事件だけじゃない。
他にも余罪がゴロゴロあった。

それまでは死人までは出ていなかったからうまく揉み消せていたものが…
1年前はついに殺人まで犯してしまった。


困った父親が目をつけたのが、少女を救おうとした人物、大雅さんだ」



「…」



「山崎はパソコンで、幼女の性的な動画を閲覧できる会員制の有料サイトをよく利用していた。

調子に乗って匿名で事件のことを書き込んでいるのも見つけた。



証拠は完璧だ。
当時削除された防犯カメラの映像も入手して鮮明化しておいた。



山崎で間違いない。

…俺は明日、この証拠をマスコミに渡してくる」



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