それでもあなたが大好きです。



「煽ってんじゃねーよ……バカ」



俺はまた、小春の可愛い唇を奪った。
必死に応えようとしているのが愛おしくて、獣のように噛み付く。




「…っん」


狂おしいぐらいの愛が込み上げてきて、自分でも恐ろしく思う。


「こ…はるっ、愛してる」


何度も何度も角度を変えて食らいつく。



小春が苦しそうに俺の胸を叩いたとき、ハッと我に返って唇を離した。


肩で息をしながら、必死に息を整えている姿さえも愛おしく思う。




だがもう小春に触れることも、こうやってキスすることも、これが最後。



「小春……俺はもう二度と…「言わないで!!!」


俺の言葉を遮るように、小春は悲痛な叫びをあげた。



全身を震わせながら耳を覆っている姿はあまりに儚げで、壊れてしまいそうで…
こうすることしかできない俺の不甲斐なさに腹が立った。



< 51 / 126 >

この作品をシェア

pagetop