10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~
雪のように白くてみずみずしい肌。
黒くて吸い込まれるような魅力ある大きな瞳。
妖艶で艶のある唇。
そして、腰まで届いた美しい彼女の黒髪が、ひらひらと光沢のある絹のように揺れている。
僕は、そんな彼女に一目惚れしてしまった。
言い知れぬ恍惚感……。
胸の奥から熱い感情が込み上げてくる。
今まで≪恋≫というものをしたことがなかった僕にとって、それは初めての感覚だった。
「マキはお家の都合でこの町に引っ越してきたんだ。みんなも仲良くしてやってくれ。
じゃあ、マキ。とりあえず向こうの空いている席につくように」
先生に促されて、彼女は窓際の一番後ろの席に腰かけた。
残念ながら僕の隣ではなかったが、彼女は席に向かう途中、僕の座る横を通りすぎた。
彼女に釘付けになっていた僕は、恥ずかしさから思わず顔を背けが、
そんな僕に、彼女は一瞬だけ静かに微笑んだ気がした。