10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~
「うまい……それに僕より、ずっと素直だ」
彼女はよく、美しい女性の絵を描いていた。それは時に、裸体だったり、ひどく怪我をしていたりした。
彼女は静かに絵を描いて、下校時間間際になってようやく帰っていく。
もともと美術部は僕以外、まともに活動をしている人がいなかったから、僕はしばらく彼女と二人っきりだった。
でも、特に何か二人で話すわけでもなかった。
彼女は淡々と筆を走らせ、僕はそんな彼女をひっそりと見つめる。
だいたい一ヶ月くらい、僕らはそうして過ごしていた。