【完】キス・フレンド
ファースト・キス

「あ、先輩いらっしゃい。」


「お前何限から来てんの?」


「教室寄らずそのまま、朝礼からですかね。」


「せめて出席くらいしておけよ。」


「新しい担任と波長が合わなくて。」


「誰?」


「新任の女の先生です。」


「ああ、面倒くさそうな。」


初めて会った日から時間が過ぎて。
私たちはひとつずつ進級していた。


私は2年生。
先輩は3年生。


サボってはいるけど出席日数は足りているし。
成績も悪くないから留年の心配はなく。
楽々進級することができた。


それでも相変わらず、この奇妙な時間を共有する習慣は変わっていなかった。
ほぼ毎日、先輩と顔を合わせている。
3年生だから模試やらなんやらで来ない日はまちまちあるけど。
それでも大抵毎日顔を合わせて話をしていた。


「もうすぐ中間だろ?勉強いいのかよ。」


「特に困ってはないですね。」



< 8 / 26 >

この作品をシェア

pagetop