キミと一緒なら



手首を掴んで、歩き出すけど、足取りが重い。


私は軽く拒む。


「陽菜」


「怖かったら言ってもいいんだよ?」


「こ、ここ怖くないもん!」


「んじゃ、行くぞ!!」


お化け屋敷に着いて、少し並んだあと、すぐに入れた。


えぇ・・・ま、真っ暗なんだけど・・・


「ははっ、怖いの?」


「こ、怖くなんか・・・ないもん・・・」


とは言いながらも、ブルブルと体が震え出す。


── コツ コツ


・・・なんか足音が聞こえてきたんだけど。


後ろを振り返った。


「キャ──!!!」


裕哉に思わず抱きついて、一生懸命逃げようと引っ張る。


「ははっ、怖いの??」


「ち、違うもん・・・驚いただけだよ・・・」


そう、驚いただけだよ。



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