This Is Love Story
祥さんの番号を見つけて発信ボタンを押したと同時に、後ろから携帯を奪われた。
「……“祥さん”?…男か?
…ほんとに浮気してんの?」
振り返ると、バイクに跨る禅くん。
私が浮気してるなんてこれっぽっちも思ってないくせに。
だって、顔が楽しんでるもん。
こんな状況で面白がるなんてひどい。
…禅くんのドS。意地悪。悪魔。
「…返して。」
「…なんでそんなに怒ってんの?」
素直にスマホを返してくれる禅くんだけど、しっかり通話は終了してある。
むくれる私の頬に手を添えて、困ったような顔を見せる禅くん。
なんか…
私がすごく悪いことをしてる気がしてきた。
…いやいや!負けるな私!