This Is Love Story







祥さんの番号を見つけて発信ボタンを押したと同時に、後ろから携帯を奪われた。








「……“祥さん”?…男か?

…ほんとに浮気してんの?」








振り返ると、バイクに跨る禅くん。


私が浮気してるなんてこれっぽっちも思ってないくせに。

だって、顔が楽しんでるもん。

 


こんな状況で面白がるなんてひどい。

…禅くんのドS。意地悪。悪魔。










「…返して。」




「…なんでそんなに怒ってんの?」










素直にスマホを返してくれる禅くんだけど、しっかり通話は終了してある。


むくれる私の頬に手を添えて、困ったような顔を見せる禅くん。





なんか…

私がすごく悪いことをしてる気がしてきた。




…いやいや!負けるな私!












< 150 / 631 >

この作品をシェア

pagetop