This Is Love Story
「許す代わりに、買い物付き合ってよ。」
結局許してしまう私は、一生禅くんには勝てないんだろうな…。
まぁ、今回も私が一方的に怒っただけだけなんだけど。
「あぁ。」
少しだけ嬉しそうに口角をあげる彼を見ると、私までなぜか嬉しくなった。
「あ!でも何買ったか見たらダメだよ!」
「はいはい。」
私を抱き上げてバイクに乗せる禅くんを、私はギュッと抱き締めた。
バイクに乗っている分、いつもより目線が近い。
「結衣…?」
もっと禅くんに触れてほしい。
……もっと禅くんに触れたい。
最近そんな事ばっかり考えてしまう自分が怖い。
実は私って、ものすごく変態なのかも…。
そんな不純な気持ちを知られたくなくて、そっと彼から離れた。
彼もそれ以上は何も言わずに、バイクに跨った。