This Is Love Story
「佑っ…待って……痛いよ…。」
私の腕を引いて、何も話さずに歩き出す佑。
待って…
まだ、お別れも言えてない。
彼らの方を振り返ると、自然と禅くんと目が合った。
まっすぐ私を見つめるその漆黒の瞳に、思わず涙が零れそうになる。
このまま離れるなんて、だめだよ…
ちゃんとお別れを言わないと…。
意を決して佑に逆らおうとしたその時…
反対側の腕に、冷たい何かが触れた。
振り向くと、私の腕をつかみこちらを見据えた禅くんがいた。
「…待てよ。結衣。」
「っ…」
禅くん…。
「…てめぇ…。
結衣に触んじゃねぇッ!!」
…佑…。
…どうしよう。
こうなったのも全部私のせいだ…。
私が、結局はどっちも傷つけた。