This Is Love Story
「黒薔薇のバックの組が動く可能性もある。
…一応うちの組員にも、いつでも動けるように指示はして来たけど。」
半ば強引に指示して出てきたけど、虎太郎ならきっとその通りに動いてくれる。
「俺もそう思って、組員の何人かは連れてきた。」
そう言って軽く後ろを振り返る唐沢昴。
俺もその視線の先に目をやると、数台の車が俺たちの後を着いてきていた。
…あの先頭の車の運転手……
どこかで見覚えが…
「兄貴、あれだろ。黒薔薇の拠点。」
唐沢佑の言葉に前を向き直すと、草木の中に堂々とそびえ立つ大きな工場。
おそらく廃工場なのだろうけど、一体こんな山奥に何の工場があったのか…