わたしのキャラメル王子様・番外編
「これ、天使をエスコートする天上人って設定なんだって」
「そっかぁ、それでなんだか現実味がないんだ」
浮遊感のある、セピア色の映像を見て納得した。
「でもこのときの俺の頭んなかは煩悩だらけだよ」
「煩悩?」
まさか1日にこのワードをふたりから聞くなんて。
「早く終わんないかなぁ、沙羅何してる頃かなぁ、補講って何すんだっけ?男子に勉強教えて~とか言われたりしてなきゃいいな。今日の晩ごはん何だろ、てか帰って昼寝したいなぁとか」
ふふ、と微笑んで
悠君は私の髪に顔を埋めた。
「ここに戻ってくるために毎日頑張ってるつもりなんだ、これでも」
悠君が肩に頭を預けたとき、私のなかでなにかが弾けたような気がした。