白き桜と黒き神
「今日の朝ごはん、桜雨の好きなオムレツにしたんだ。」


『ほんと?嬉しい』


たわいない話をしながら、リビングのドアを開けていつもの定位置に座る。


テーブルの上には、オムレツとサラダ、スープ、クロワッサン、オレンジがある。


『美味しそう…早く食べようか』


怜治はクスリと笑う。


「うん、食べよっか。」


いつも思うけど、怜治の笑顔って貴重。私以外に怜治の笑顔見たことあるのって…


あの二人だけだもの


『いただきます』


「いただきます」


オムレツをナイフで切り分け口元へ運ぶ


『美味しい…』


「良かった!桜雨が喜んでくれるならいくらでも作るよ!」


…相変わらず、怜治は私に甘い。


けど、私にだけ甘いのは理由がある。


それを知ってるから何も言えない。


「あ、そろそろ学校の準備をしないとね。」


『あ、ほんとだ』


私達はお互いの部屋に戻ると制服に着替える。
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