彼は私の全てだった
嫉妬で暴走?!
私は中村さんに呼ばれた。

「少し話せる?」

もしかしたら転勤のことかな?と思って
事務所に入った。

「転勤の件だけど…気持ちは変わらない?」

私はさっきのシュウと中村さんの会話を聞いて
バカみたいだけど
少しだけシュウとまだ一緒に居たいと思ってしまった。

「いえ、あの時はすいません。

まだ頑張れます。」

「小泉くんとの事だけど…

もしかしたら付き合ってるとか?」

付き合ってると言えるような仲じゃない。

「いえ、そんなんじゃありません。

ただ…昔…一緒の高校に一年だけ通ってたんです。

小泉さんは途中で転校したから履歴書には書いてませんよね?

その時に色々あって…やりづらいって言うか…」

どう説明したら良いかわからなかった。

「そうか。
でも柿沢さんが思ってるよりずっと…

小泉くんは柿沢さんを気にかけてるみたいだよ。

ああいう性格だから外には出さないけど…
案外いいヤツだと思うな。」

知ってる。

シュウは昔、すごくいい人だった。

だから根本はきっといい人のままだと思いたかった。

「そうですね。もう少し頑張ってみます。」

でもそんな思いはすぐに後悔に変わる。

シュウはその夜、彩未と2人でクラブに行った。

そしてその夜は2人とも帰らなかった。



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