ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
「え?」

僕もって?

「この前買ったブラ、早くチェックしたくない?」

前のめりになってるよ。

オイオイ。

と、ジッと上目遣いになる広海君。

モジモジッと体をくねらせてる。

「やっとふたりっきりね、センセ~ッ」

っておい、ナニその気になってるんだよ。

そりゃ確かに、ずっとミライと三人だったけどさ。

「こんな所でソワソワさせるなって」

冗談も度が過ぎるゾ。

「いいじゃない、ここには防音室もあるんだし、ねぇ先生…」

ム、マズイな。

目がマジだよ。

下手に突っぱねるとムキになって襲い掛かって来られそう。

「…夜、じっくりと見せてもらうよ」

言葉に乗りつつ、この場をかわすセリフをとっさに選ぶ。

と、フッと顎を引く広海君。

「そうね、夜は長いものね。今日も、明日も♪」

…ん~、寝不足になっちゃいそうだナ。
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