【短】おにぎり

「でも…」
 私は一人呟き、メ―ルアドレスを人差し指で押して、必要事項を打ち込んだ。

授業なんて後回しに私は入力していた。

 そして、必要事項を確認して送信した。
「うわあ、ほんとにバカだ。私」

 小さな声で発し、机の上で両腕を伸ばした。

 クラスメイトは定評のある先生なので、楽しく授業に取り組んでいる。

 送信済みメ―ルを確認して私は本当に送信したことに後悔した。

 しかし、この行動が変わることになるなんて思わなかった。私も彼も。

 窓を見ると、高い所に飛行機が飛んでいた。

 どこに行くか分からないエンジン音を切らして。

 彼がその音を眺めているとも知らずに。
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