【短】おにぎり

あの時はなぜか晴れているのに彼の性格のように雲が覆われていた。

「あなたは間違ってますよ」

 驚いた様子で彼は私を見て、何か言いたそうに口を開けたまま言葉を発しようとしていた。

 彼との空間だけは私になっていた気がした。
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